シートベルトの正しい知識
1.シートベルトの誤った着用で死亡事故が発生
2024年8月、路線バスと軽自動車が正面衝突し、軽自動車後部座席に乗っていた7歳と5歳の姉妹が亡くなりました。警察では、事故の衝撃によるシートベルトの締め付けが亡くなった要因と考えられるとしています。そもそも大人向けに設計されているシートベルトを、大人の体格に達していない身長の低い小さな子供が着用したため、首やおなかにベルトがかかってしまったことによる痛ましい事故でした。
すべての座席においてシートベルトの着用が義務となっていますが、単に着用すればいいわけではありません。今回はシートベルトに関する正しい知識を確認してみましょう。
2.シートベルトの効果
シートベルトには主に以下の3つの効果があります。
- 事故時の乗員保護
頭や胸などを車内で強く打つことを防ぐ。身体が車外に放り出されるのを防ぐ。 - 正しい運転姿勢の維持
身体を固定するので正しい姿勢を保つことができる。正しい姿勢は運転操作の正確さと危険回避能力を高める。 - 疲労の軽減
身体を支えることで疲労を軽減する。特に腰や背中への負担が減り快適な運転が続けやすくなる。
3.シートベルトの正しい着用方法
シートベルトの効果を最大限に発揮するためには、正しく着用していることが必要です。
- 肩ベルトは首にかからないようにし、たるませない。
- 腰ベルトは骨盤を巻くようにしっかり締める。
- シートの背は倒さずにシートに深く腰かける。
- ベルトがねじれないように締める。
- ベルトがはずれないように、「カチッ」と音がするまでバックルに確実に金具を差し込む。
※エアバッグは、シートベルトの正しい着用があって初めて効果を発揮します。
4.サブマリン現象を引き起こすことも
シートベルトの誤った着用や座席シートの角度が不適切な場合は、交通事故の際にサブマリン現象を引き起こすことがあります。
サブマリン現象とは、交通事故の衝撃や急ブレーキなどによって身体が座席シートから滑り、車の前方向に潜り込んでしまう現象です。腰の位置にあるシートベルトがずり上がって腹部を圧迫したり、ベルトが首に引っかかったりするなどの危険があります。
腰骨のシートベルトを体がくぐり抜けてしまうような角度で乗車するとサブマリン現象が起きる危険性が高まります。
特に、子供は身体が小さいためシートベルトが本来の機能を発揮できず、サブマリン現象が起きやすくなります。体格にあったチャイルドシートやジュニアシートを使って、正しくシートベルトを着用させましょう。
5.誤った知識で子供が犠牲にならないために
シートベルトは衝突したときに命を守ってくれる重要な役割を果たします。
その素材は強度の高いポリエステルであり、3トンの荷重に耐えられるようになっています。完成までの工程で80℃の環境においたり、着脱を10万回繰り返したりして劣化試験をしています。
十分な耐久テストを経たシートベルトが、誤った着用をしたために死傷の原因となってしまっては本末転倒です。
シートベルトの着用方法について、私たち大人の誤った知識で、小さな子供たちが犠牲になることがないようにしなければなりません。
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