薄暮時の交通事故をゼロに ― 企業が取り組むべき安全対策
1.薄暮時 ― 視界の変化が事故を呼ぶ

最近、暗くなるのがめっきり早くなりました。
この夕方の時間帯は、“薄暮時(読み方は「はくぼじ」)”と呼ばれ、視界が急速に変化します。日の入り前後1時間ほどの間は、ライト(前照灯)の点灯が遅れやすく、歩行者や自転車の発見が遅れることから交通事故が急増。下校や退勤の時間帯は交通量も多く、危険が重なります。警察庁の統計(2018〜2022年)でも、17〜19時台の死亡事故が全体の約2割を占めています。
2.「まだ大丈夫」が危険を呼ぶ
薄暮時は、思っている以上に視界が悪くなっています。
それでも「まだ見える」「周りの車もライトを点けていない」と感じ、点灯を遅らせてしまうドライバーは少なくありません。特に日没直後は、目が暗さに慣れるまで時間がかかり、その間に歩行者や自転車を見落とす危険が高まります。
近年はオートライト装備車も増えていますが、周囲の明るさやセンサー位置によって点灯が遅れることもあります。
“まだ大丈夫”と思ったその油断が、重大事故を招くこともあるのです。
3.早め点灯で、見る・見せる・備える

薄暮時の事故を防ぐには、まず「早めのライト点灯」を社員全員の共通ルールにすることが大切です。
ライトは前を照らすだけでなく、「相手に自車の存在を知らせる」役割も果たします。
薄暮の時間帯は、周囲が明るいように見えても実際には歩行者や自転車が背景に溶け込みやすく、気づくのが遅れがちです。
ライトを早めに点けることで、相手を見つけやすく、相手からも見つけてもらいやすくなり、交通事故のリスクを大幅に下げられます。
企業としては、オートライト任せにせず「〇時〇分にはライトオン」といった明確な基準を設定することが有効です。
そのうえで、安全運転指針や研修を通じて「見える運転」「見せる運転」を社員全員に浸透させることで、薄暮時の事故を組織的に減らすことができます。
4.企業ができる“薄暮時マネジメント”
企業ができる薄暮時対策は、単にルールを設けるだけではありません。
たとえば、社内放送や車両ステッカーで“早め点灯”を呼びかけたり、薄暮時間帯の外出が多い部署では「早めライトオン強化週間」を実施したりするなど、行動を促す工夫が効果的です。
また、社内で薄暮時のヒヤリハット体験を共有する場を設け、「薄暮時ってやっぱり危険だよね」という共通認識を高めることも大切です。
5.意識と仕組みで薄暮時事故を防ぐ
薄暮時の交通事故は、ほんの数分の判断の遅れで起こります。
「うちは大丈夫」と油断していませんか?
事故を防ぐには、社員一人ひとりの“早め点灯”意識と、企業としての仕組みづくりの両輪が必要です。
6.講習体験での学びを自社に
社内での意識づけに加え、体験を通じて学ぶ機会を設けることも重要です。
外部の安全運転講習を活用し、社員が薄暮時の危険を体験から学ぶことで、「知っている」から「実際にしている」へと変わります。
その積み重ねが、企業全体の安全文化を育み、薄暮時の交通事故をゼロに導く確かな力となるでしょう。
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