その近道、事故リスクになっていませんか?
― 企業が見直したい走行経路の考え方 ―
1.その道順、本当に安全ですか
「経路」とは、目的地までの道順を指します。
しかし、業務運転における経路選択は、単に“早く着く道”を選ぶことではありません。
社員が狭い生活道路や見通しの悪い交差点を通るルートを選ぶことで、歩行者や自転車との接触リスクが高まることもあります。
社員の交通事故は、本人だけでなく企業の信用にも関わる問題です。
だからこそ、走行経路はドライバー任せにせず、企業として考えるべき安全管理の一部なのです。
2.「いつもの道」が安全とは限らない

社員が危険な経路を選ぶ理由は、単に「早く着きたい」だけではありません。
信号で止まりたくない、渋滞を避けたい、有料道路を使うと経費がかかる、ナビが最短ルートとして案内した、前任者からその道を教わったなど、さまざまな事情があります。
本人に悪気はなく、むしろ業務を効率よく進めようとして選んでいる場合もあります。
しかし、見通しの悪い交差点でも「いつも車は来ない」、一時停止場所でも「大丈夫だった」という経験が重なると、減速や一時停止といった基本行動が少しずつ省略化されていきます。
事故は、運転技術だけでなく、どの道を選ぶかによっても起こりやすさが変わります。
3.経路選択にも“会社の判断”が表れる
安全な経路選択とは、単に「広い道を走る」「遠回りをする」ということではありません。
業務運転では、時間、渋滞、経費、訪問先の場所、荷物の積み下ろし、駐車場の入りやすさなど、複数の条件を考えながらルートを選ぶ必要があります。
ただし、「信号を避けるために通学路へ入る」「有料道路を避けるために狭い生活道路を走る」「到着時間に追われて抜け道を使う」といった判断が続けば、事故リスクは高まります。
安全な経路選択で大切なのは、“早いか遅いか”だけでなく、“どのリスクを増やしているか”を考えることです。
経路選択は、社員個人の運転判断だけでなく、会社の時間設定や経費ルール、業務の進め方とも深く関係しています。
4.企業として確認すべき経路リスク

企業としては、よく行く取引先や現場について、「どの道が早いか」だけでなく、「どの道が安全に走りやすいか」も共有しておくことが大切です。
たとえば、事故が起きやすい交差点、通学路、道幅の狭い生活道路、駐車場の出入り口、右折しにくい交差点などは、注意ポイントとして整理しておくとよいでしょう。
学校周辺やスクールゾーンでは、朝の時間帯などに車両通行禁止となっている道路があります。
また、有料道路を使う判断基準が曖昧だと、社員が経費を気にして無理に一般道を選ぶこともあります。
到着時間に余裕がなければ、渋滞を避けるために狭い道へ入りやすくなります。
経路選択は、社員の性格や運転技術だけの問題ではありません。
企業として、無理な運転を生まない環境を整えることが重要です。
5.走る道は、企業イメージにも関わる
業務中の運転は、会社の看板を背負った行動です。
社名入りの車両が生活道路を急いで走っていれば、たとえ事故を起こしていなくても、地域から不安に思われることがあります。
一方で、社用車の走行経路は、企業イメージを高める機会にもなります。
社名や商品ステッカーを貼った車両であれば、どのエリアを走るかによって、地域への認知につながることもあります。
走る道を見直すことは、事故防止だけでなく、地域からの見え方を考える取り組みでもあるのです。
6.自社の経路リスクを見直す機会をつくる
安全運転というと、速度管理や一時停止、車間距離などの行動に目が向きがちです。
しかし、その前段階にある「どの経路を選ぶか」も重要な安全対策です。
- よく行く取引先や現場について、安全に走りやすい推奨ルートを共有する。
- 通学路、狭い生活道路、右折しにくい交差点など、避けたい場所や時間帯を整理する。
- 有料道路の使用基準や到着時間の設定に無理がないかを確認する。
こうした取り組みは、日常の業務運転を見直すきっかけになります。
また、企業ごとに異なる走行経路や事故傾向を踏まえ、外部専門機関と一緒に課題を整理する方法も有効です。
社員の交通事故を防ぐために、まずは「いつもの道順」を安全の視点で見直してみてはいかがでしょうか。
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