暑さが運転や車内に及ぼす危険性について

1.暑さが運転に及ぼす影響について考える

6月になりましたが、ドライバーの皆さん、車内の冷房を使用する時期が年々早くなってきているような気がしませんか?

今年(2024年)4月の全国平均気温は過去120年間で最も高くなったことから(気象庁発表)、今夏も地球温暖化に加え、エルニーニョ現象の影響を受けて、全国的に気温が高く猛暑日が増えると予想されています。

実際、昨年(2023年)の6~8月の全国平均気温も観測史上最高を記録しています。

車内のエアコンを過度に使用するとバッテリーへの過負荷が心配されますが、暑さが運転に及ぼす影響はそれだけではないのです。

2.運転中における熱中症のリスク

2021年4月28日から気象庁は「熱中症警戒アラート」を運用していますが、車の運転中にも熱中症のリスクがあります。

窓の外からの直射日光・車内の温度調節不足・エアコン使用による乾燥が原因で、脱水症状を引き起こし熱中症になる可能性があります。

運転中に熱中症によるめまい・吐き気・意識喪失などが起きると、重大な交通事故につながる可能性が高まります。

夏の暑さに負けない日常における体調管理が重要となりますが、暑さが運転に及ぼす影響は体調面だけではありません。

3.暑さがドライバーの心理面に与える影響

人間は暑すぎる環境にいると不機嫌になりやすく、イライラして行動が攻撃的になると言われています。

こうした心理状態は運転中にも現れます。

自分自身の心理的変化に加え、他のドライバーの攻撃的な運転にも気を付けなければなりません。猛暑下の運転では心理面でも注意が必要となります。

4.車内温度を効率よく下げる方法

車内温度は25度くらいが適温とされていますが、炎天下の駐車車両の車内温度は70度、ダッシュボード上は80度にも達します。

このような状態で車に乗り込むときは、金属部分に触れることによる火傷に注意してください。

車内温度を効率よく下げるステップを以下に紹介します。

 ①助手席の窓だけを開け、運転席のドアを数回開閉する。(車内の空気を一気に入れ替えることができる)

 ②その後、エアコンを冷房で外気循環に設定し、全席の窓を開けて走行する。

 ③車内温度が下がったら窓を閉めて内気循環に切り替える。

また、駐車時は、サンシェードを使用する・日陰に停める・窓を少しだけ開けておく、など車内温度の上昇抑止に効果的な対策を取りましょう。

5.暑さが車内環境に及ぼす危険性

車内に残された子供が熱中症で亡くなる、という痛ましい事故が毎年のように発生しています。

JAFの実験では、外気温35度の場合、窓を閉めた状態ではエアコン停止後15分で熱中症指数が危険レベルに達しました。

幼い子供や高齢者は体温調節機能が不十分な場合があり、短時間でも車内に残すのは非常に危険です。

本格的な夏を迎える前に、暑さが運転や車内環境に及ぼす危険性を再確認し、トラブル防止に努めましょう。

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