「2024 年問題」と交通安全

 ~ 労働改善が事故防止へのカギ ~

1.2024年問題の背景

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「2024年問題」の発端は、2019年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」にあります。長時間労働が心身にあたえる健康阻害や過労死といった問題を是正し、ワーク・ライフ・バランスを改善することなどを目的として労働基準法が改正され、時間外労働の上限が規制されました。

この上限規制の施行は、上場企業は2019年4月、中小企業は2020年4月からとなっています。労働環境の特殊な職業ドライバーなどの職種は、2024年4月までその施行が猶予されていました。この猶予がなくなるのが2024年4月ということで「2024年問題」としてクローズアップされるようになりました。

2.交通事故と労働者の健康問題

運転者の疾病により事業用自動車の運転を継続できなくなった事案として、自動車事故報告規則に基づき国土交通省に報告のあった件数は高止まりの状況が続いています。令和3年中の報告件数は288 件、このうち3割が交通事故に至っています。報告義務のない事業用以外の自動車の台数を勘案すると実際には少なくとも報告件数の数十倍の健康起因に係わる事案が発生しているものと推測されます。

3.労働条件改善のための「改善基準告示」

「改善基準告示」の正式名称は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(厚生労働大臣告示)といいます。自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図るため拘束時間の上限や休息期間について基準等が設けられています。これらの見直しにより、運転者の過重な労働による運転疲労の軽減が図られることで交通事故減少につながることが期待されています。
(改善基準の詳細な数値等は厚生労働省のホームページなどでご確認ください)

4.改善基準告示の対象者と事故防止対策

対象者は、労働基準法第9条にいう労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)であって、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する方が対象となります。

人手不足などの抜本的な解決は難しい部分もあるかと思われますが、これを機に対象となる、ならないにかかわらず、交通事故防止につながる労働改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

お気軽にお問い合わせください。03-6261-4783TEL 0172-28-2727( 青森営業所 )

お問い合わせ