走行中の車輪脱落を防ぐ
1.車輪脱落事故の発生状況は?
国土交通省によると、大型車における車輪脱落事故の発生件数は2012年には15件だったものが、2021年では123件と8倍以上に及び、明らかな増加傾向にあります。
普通車においても、2023年11月14日に北海道で走行中の軽自動車のタイヤが外れ女児に衝突し、意識不明の重体となる事故が発生しました。同年11月29日には普通乗用車のタイヤが外れ対向車に衝突し運転手が怪我をする事故、12月1日にも走行中の乗用車のタイヤが脱落する事故が発生しています。(いずれも北海道)
2.タイヤが脱落する原因は?
主な原因としては、車体とタイヤを固定するハブボルトが折れるといった物理的要因と、タイヤ交換時や交換後の不備などの人為的要因があります。人為的要因として具体的には以下の事項が挙げられます。
- 違うホイールのナットを使用
- ナットを締める順番が違う
- ナットの締め忘れ
- 適正な力で締めていない
- 増し締めをしていない
3.タイヤの衝突ってどれくらい危険なの?
タイヤ1本の重さは普通車20kg前後、大型車約100kgに及びます。国土交通省は、時速60㌔で走行する大型車からタイヤが外れて歩行者に衝突する事故を想定した実験映像を公開しています。
ダミー人形に取り付けたセンサーにより、頭蓋骨を含めた全身数ケ所の骨折など命に関わる重大事故であることがわかります。大型車に限らず、前述した事故事例からも普通車のタイヤでも重大事故に発展する可能性があります。
4.タイヤ交換時の注意点
雪国では冬用タイヤへの交換が必須です。その際、夏用冬用のナットを付け間違えてしまうとホイールの形状に合わず車輪脱落の危険性が高まります。
ナットの締め付けを行う際、4穴ホイールは十字に、5穴ホイールは対角線の順番で徐々に締め付けなければ、車体とホイールの密着にかたよりが生じることがあります。
ナットは車種によって締付トルクが決まっているので、トルクレンチを使用し適正な強さで締め付けます。弱すぎても緩む原因となり、強すぎてもボルトやナットの山を壊す恐れがあります。タイヤ交換後は50~100kmほど走行したら増し締めをしましょう。 車輪脱落事故を起こした大型車両の約半数は、専門業者にタイヤ交換を委託したというデータがあります。専門店でタイヤ交換してもらった場合でも、最終的には必ず自ら責任を持って確認するようにしましょう。
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