知っておきたい歩行者保護に関する交通ルール(前編)

1.ゾーン 30とは?

近年、交通事故死者数は減少していますが、全死者数の半分を歩行者や自転車が占めています。さらにそのうちの半数は自宅から500 メートル以内の生活道路で発生した交通事故によるものです。

ゾーン30とは、歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とした生活道路における交通安全対策の一つです。区域(ゾーン)を定めて時速30km速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における車両の走行速度や通り抜けを抑制することで事故防止を図っています。

2.設置が進むゾーン 30

ゾーン30は、道路(線)や交差点(点)だけではなく、区域(面)の安全対策を目的として全国4,031 ケ所(令和2年現在)に設置されています。

区域内には、車道幅員の減少、ハンプと呼ばれる段差や縁石の設置、ポールを立てて意図的に道幅を狭くするなど、速度を抑えるための工夫が施されています。車と歩行者の交通事故が発生した際、車の速度が時速 30kmを超えていると歩行者の死亡率が一気に高くなることからこのような対策が取られています。

3.横断歩道に関するルール

ある民間会社の調査では、信号の無い横断歩道において約8割(全国平均)の車が停止しないという結果が出ています。信号の無い横断歩道付近に歩行者がいる場合は、あらかじめ減速するなどして歩行者の横断を妨げてはいけません。

さらに横断歩道に関するルールとして、横断歩道の手前に停止している車の横を通過する際の一時停止義務、横断歩道付近における駐停車禁止や追越し禁止などのルールも定められています。

4.路面標示を活用しましょう

街中でよく見かけるひし形(ダイヤマーク)の路面標示は、「横断歩道又は自転車横断帯あり」という意味があり、信号のない横断歩道の手前に標示されています。

ダイヤマークが2つ縦に並んで書かれていますが、1つ目のダイヤマークは横断歩道の「50メートル手前」に標示されており、2つ目は「30メートル手前」に標示されています。先の見通しが悪い、カーブや上り坂の先に横断歩道がある場合、この標示によって「横断者がいるかもしれない」と危険予測をすることができます。

歩行者保護意識は交通安全の基本です。いまいちど交通弱者に対する対応を考えてみましょう。

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